「・・・せんせ?」



途端に倒れこんできた潮。

さっきまでの激しい殺意や目に浮かんでいた
恐ろしいまでの禍々しさ。

一気に消え去っていた。



「あ、あたし・・・、とんでもない事・・・」




自分のしたことが理解できるようになったのだろう。

体はがくがく震えだし
雨に打たれている捨てられた子犬のように
おびえた目をしている。