『彼方くん?ねぇねぇ彼方くんってばぁ』 かわいらしい女の子の声。 『和華のこともかまってよ~。和華には彼方くんしかいないんだからねっ』 心が傷んだ。 けどあたしは傷つく立場でもなんでもないから…… あたしはただの友達。 そう自分に何度も言い聞かせた。 もうこの思いも忘れないと。 “好きな人”じゃない“友達”なの。 よし、踏ん張れあたし。 頑張れ、理緒!