もう一度ケータイの電源を入れてその写真を沖田さんに見せた。 沖「素敵な家族ですね…」 杏「そ、そうですか?」 初めて言われた…。 沖「私の父と母は、私の小さい時に亡くなっていたので。あまり思い出が無いんです」 杏「沖田さん…」 そうなんだ…。 なんだか恥ずかしくなって、まくし立てるように言った。 杏「で、でもそんないい家族でもないですよっ?弟なんかすっごい生意気だし、お母様なんてハンパなく口うるさいし、お父さんだってっ………っ……」 でも、 最後まで続かなかった。