ダーシーがジェンセンの言葉を肯定するとジェンセンは、深くため息をついた。

「セシリーは何らかの手段を使って、クリスティアン様の遺体を亡くなった当時のままに保存していたと思われます。新鮮なというのもおかしいが、亡くなってからの時間が少ない肉体ほど魂を呼び戻した魂を定着させやすいですからね。魂を呼び戻し、動き出したのはここ半年の間のことでしょう」

「遺体を操る方法もあると聞いたけれど?」

 まだ青ざめているエリーシャは、それでも果敢に口を開いた。

「それは――ないでしょう」

 エリーシャのわずかな期待を、ジェンセンは無惨にも打ち砕いた。

「ダーレーンで、実際に言葉を交わしてきましたよ。クリスティアン・ルイズ本人でした」

「……嘘よっ!」

 悲痛なエリーシャの声が、室内に響きわたる。ダーシーがそっとエリーシャの手に自分の手を重ねた。