「エリーシャ様――エリーシャ様を暗殺しようとした時には、あいつは誰かに雇われていた」
「そうね、頼まれなきゃやらないでしょ」
「あいつの仕事は確実だが――一つ重大な欠点を持ち合わせている」
「欠点って何よ?」
エリーシャはむすっとした口調で言った。
「自分の美貌に絶大な自信を持っていること、そして、それが失われるのを恐れていること」
父の言葉にアイラはつい先ほど会ったユージェニーの姿を思い浮かべた。ローブの上からでもわかるほどの見事な曲線美、ぱっちりした瞳に美しい唇。あれだけの美貌の持ち主なら、固執するのもわかるような気がする。
「あれで八十過ぎのばーさんだからね。実年齢は不明だけどさ」
ベリンダもしれっとした顔で付け足した。言われてみればそうだった。
「美貌を保つためなら、何だってやりますよ、あいつは――雇い主を裏切ることだってね」
「だけど、雇い主を裏切らせるためには何が必要なのよ?」
金銭的な問題で解決できるのなら、エリーシャはいくらだって差し出すだろう。彼女は自分の領地からかなりの額を得ているから、小さな国を一つ買い取るくらいの金額はぽんと出すことができる。
「そうね、頼まれなきゃやらないでしょ」
「あいつの仕事は確実だが――一つ重大な欠点を持ち合わせている」
「欠点って何よ?」
エリーシャはむすっとした口調で言った。
「自分の美貌に絶大な自信を持っていること、そして、それが失われるのを恐れていること」
父の言葉にアイラはつい先ほど会ったユージェニーの姿を思い浮かべた。ローブの上からでもわかるほどの見事な曲線美、ぱっちりした瞳に美しい唇。あれだけの美貌の持ち主なら、固執するのもわかるような気がする。
「あれで八十過ぎのばーさんだからね。実年齢は不明だけどさ」
ベリンダもしれっとした顔で付け足した。言われてみればそうだった。
「美貌を保つためなら、何だってやりますよ、あいつは――雇い主を裏切ることだってね」
「だけど、雇い主を裏切らせるためには何が必要なのよ?」
金銭的な問題で解決できるのなら、エリーシャはいくらだって差し出すだろう。彼女は自分の領地からかなりの額を得ているから、小さな国を一つ買い取るくらいの金額はぽんと出すことができる。



