白いチョークと魔法陣を描いた紙がアイラに手渡される。
「急げ!」
「父さんてば、もう、むちゃくちゃな! 何があったってわけ?」
父の手伝いをしている時に何度もやらされたから、手順に困ることはなかった。
フェランとライナスがベッドを壁に寄せ、魔法陣を描くだけのスペースをどうにか確保する。
彼がそうしている間にアイラは紙を横目で眺め、自分が把握している魔法陣のうちどれなのかを理解すると、それ以上紙を見ることなく一気に魔法陣を描き上げた。
「……その速さ、宮廷魔術師並みだぞ」
「誰が書いても、効果は同じだからな。面倒だから娘を仕込んだ」
アイラの手際にイヴェリンは素直に感心し、ジェンセンは身も蓋もないことを言う。魔術師一人ならば簡単に転移できるのだが、他者をともなうとなると、魔法陣を書く必要がある。
「とりあえず皇女宮に飛ぶ。忘れ物はないな。魔法陣から身体が出ないようにみっちりくっついてろ。はみ出てたやつは、そこの肉がちぎれるぞ。痛いぞ?」
全員がはみ出すことなく、きっちりと魔法陣の中に収まっていることを確認すると、ジェンセンは杖を高く掲げた。
「急げ!」
「父さんてば、もう、むちゃくちゃな! 何があったってわけ?」
父の手伝いをしている時に何度もやらされたから、手順に困ることはなかった。
フェランとライナスがベッドを壁に寄せ、魔法陣を描くだけのスペースをどうにか確保する。
彼がそうしている間にアイラは紙を横目で眺め、自分が把握している魔法陣のうちどれなのかを理解すると、それ以上紙を見ることなく一気に魔法陣を描き上げた。
「……その速さ、宮廷魔術師並みだぞ」
「誰が書いても、効果は同じだからな。面倒だから娘を仕込んだ」
アイラの手際にイヴェリンは素直に感心し、ジェンセンは身も蓋もないことを言う。魔術師一人ならば簡単に転移できるのだが、他者をともなうとなると、魔法陣を書く必要がある。
「とりあえず皇女宮に飛ぶ。忘れ物はないな。魔法陣から身体が出ないようにみっちりくっついてろ。はみ出てたやつは、そこの肉がちぎれるぞ。痛いぞ?」
全員がはみ出すことなく、きっちりと魔法陣の中に収まっていることを確認すると、ジェンセンは杖を高く掲げた。



