入手した情報を精査した結果、イヴェリンは次の行き先をルーヴェインスという町に決めた。ルーヴェインスは街道沿いの大きな町だった。

 五本の街道が交差する場所にあり、国内外の人たちが集まっている。この町ではないが、隣の町がちょうど祭りの時期に当たっているという話で、それをあてにしてやってきた商人たちでルーヴェインスも混み合っていた。

「めちゃくちゃ混んでますねぇ」

 人混みに目を回しそうになりながら、アイラは言った。
 皇女宮の近くで暮らしていたといっても、毎日がこんなお祭り騒ぎなわけではない。人に酔いそうになりながらも懸命にイヴェリンについていく。

「何々? これ、祭りとかやってんの? えー、ちょっといいじゃん、寄ってこうって。ほら、そこのカフェ、可愛い子がいるじゃん。」

「……お前なあ」

 アイラたちの後方では、フェランとライナスが騒いでいる。

「あの芝居、必要なんですか?」
「フェランが楽しんでいるだけだ。ライナスは気の毒だな」

 これっぽっちも同情していない口調でイヴェリンは言うと、アイラをせかす。