平屋建ての家ならともかく、二階建ての家ならば上階に寝室を設けることが多い。
皇女宮などは一番高い箇所では、五階まであるのだが、エリーシャは二階部分を寝室にしている。それは例外として、できるだけ上階に寝室を設けるのが富の証でもあった。
「じゃ、地下室だ」
事前に見取り図などがあればよかったのだろうが、さすがに赤の他人の家の見取り図を入手するなんてことができるはずもない。
人の気配がないか、慎重に探りながら地下室に続く階段を探すと、台所で発見することができた。
「俺が先に行く。お前は背後に注意しておけ」
「わたしが後なんですか?」
「いくら何でも人の気配がなさ過ぎるだろ。使用人ってのは、だいたいが一階で寝るものなのに空じゃないか」
だから、危険があるなら下だ、とライナスはそう判断したようだった。
アイラの先に立ってライナスが地下へと続く階段を、一歩降りようとしたその時。
「あらあ、だめよ。そっちに行っても何もないもの」
皇女宮などは一番高い箇所では、五階まであるのだが、エリーシャは二階部分を寝室にしている。それは例外として、できるだけ上階に寝室を設けるのが富の証でもあった。
「じゃ、地下室だ」
事前に見取り図などがあればよかったのだろうが、さすがに赤の他人の家の見取り図を入手するなんてことができるはずもない。
人の気配がないか、慎重に探りながら地下室に続く階段を探すと、台所で発見することができた。
「俺が先に行く。お前は背後に注意しておけ」
「わたしが後なんですか?」
「いくら何でも人の気配がなさ過ぎるだろ。使用人ってのは、だいたいが一階で寝るものなのに空じゃないか」
だから、危険があるなら下だ、とライナスはそう判断したようだった。
アイラの先に立ってライナスが地下へと続く階段を、一歩降りようとしたその時。
「あらあ、だめよ。そっちに行っても何もないもの」



