「き…うき…優希っ!」

紀恵の声が聞こえる。

「んー…」

「もぉっ!どんな格好してねてんのよ!」

格好?

「ほわぁぁぁ!」

あたしの格好は、見事にだらしないものだった。

友達にみせるものではない…格好。

「んで?風邪だよね?」

「うん…?」

「じゃあなんでそんな格好で寝てるの?
そーれーとー!なんで私に連絡しないの?!私すっごく心配したんだからね?」

「ごめん…それと心配してくれてありがと。」

「うん。」

これ、明日の予定と集配物。

と言って紀恵は一つの袋を取り出した。

「あ、ありがとぅ」

「うん、いいよ。昨日…手伝わせちゃってごめん…。それで風邪ひいちゃったんでしょ?だから…しっかり風邪治して早く学校来てよねっ!」

「えっ?違うって!」

大きな勘違いをしている紀恵。

でも、そこまで思われてると…やっぱ嬉しい。

「じゃあ、またねっ」

暫くすると、紀恵はそう言い残して帰っていった。

「ありがとう」

紀恵がいなくなった部屋で1人あたしは呟いた。