《元気…ですか。
嬉しいです。
これからもあたし、春樹くんの元気の源になれるように、頑張ります!》

うん、これでいいよね。

そう思いながら送信ボタンを押す。

「なぁにー?優希、彼氏ー?」

「へっ?」

紀恵が後ろから覗き込んで画面を見ている

「違うのー?じゃあ好きな人??」

「すっ好きな人じゃ……」

ない。

って言おうとした。

でも言えなかった。

なぜかその一言は言っちゃいけないような

気がしたんだ。

「ふぅーん…」

紀恵がそっけない返事をする。

そして、

「でも、好きな人は、いるでしょ?
んーと…中学1年生ぐらいから!」

って言った。

「え?…なんで?」

「だって優希そのぐらいからずっと携帯見てニヤニヤしてたし、可愛くなったもん!」

「でも、好きな人なんて…」

「うーん…気付いてないだけかもっ!
じゃあさ、優希、目をつむって?」

「うん、」

紀恵に言われた通りに目をつむる。