(早く昼休みがこないかなー…)

 廊下を見れば、2年の先輩が歩いている。その中でも目立っていたのが
右京 雅(ウキョウ ミヤビ)先輩と間宮 楓(マミヤ カエデ)先輩。
雅先輩は女性のように可愛らしくて綺麗。楓先輩は王子様みたいで。

 今日は並んで歩いていたから、女の子の歓声がすごかったな。




 そして、あっという間に昼休み。
悠里とお昼を食べた後、私と紘汰君…だけじゃなく、悠里と太陽君も一緒に行くことに。

 わいわいと賑やかになった昼休み。
これはこれで、楽しい。

「……へぇ、童話とか結構古いのも揃ってるね?」

 紘汰君が私に話しかけながら本を手に取る。

「そうだよね、…あれ?こんな古い本あったんだ?」

 何気なく手にした一冊の本。古ぼけているのに、どこか惹かれて本を開く。