「今日の夜ご飯はー、カレーライスでーす!!」

 満面の笑みでカレーを食卓へ運ぶ姫香をよそに、7人の小人達は本を手に持ったまま深刻そうな顔をしている。

「……文字が、読めないね…」

 ポツリと雄大は呟いた。
小人達はガックリと落胆してしまい、全員黙り込んだ。
その様子を見て、姫香は後ろから本を覗き込む。

「昔々、この世界には魔女がかなりの数生息していたが…1×××年、魔女戦争が起こりほとんどの魔女は東の魔女に力を奪われ、生き残ったのは東の魔女のみとされている…」

 後ろからの姫香の声に驚いたのか、7人は目を見開いて姫香を見つめた。

「ひ…、白雪姫だけは読めるみたいだね?」

 雄大が言うとおり、どうやら小人達には本を読めないが白雪姫だけは読むことができるらしい。
小人達は本を読むのを諦めたが、楓だけは本を手にいつまでもジッと見ていた。

「ん?楓も読めるの??」

 その様子を見て雄大は楓に声をかけた。楓はハッとしたのか顔を上げ、「ううん」と頭を横に振り否定する。

「これは…白雪姫に読んでもらって理解するしかないね。とりあえずカレー食べよっか?」

「そうだな、とりあえず飯だな飯!」

 そうして小人と姫香は、食卓に座りカレーを食べ始めた。