本屋に入ると、そこには老婆が1人座っていた。

「おぉ、小人さん達じゃないか。また魔女について調べに来たのかい?
それとも…白雪姫の継母についてかい?」

婆さんは入ってきた客に顔を向けると、しばらく見つめていた。

「また、妙な呪いをかけられたもんだねぇ…アンタ達は、違う世界から来たんだろう?」

 婆さんはそう呟き、深い溜め息をついた。


「俺達は、元の世界に戻りたいんです」

 神経な表情で紘汰は老婆を見つめた。

「……それは、東の魔女と取引するしかないねぇ。深い深い森の奥、東の魔女はそこに居る。
東の魔女は、白雪姫の継母の鏡を通じて継母を支配している…」

「…待ってお婆さん。本当にそれしか方法はないのですか?」

 雄大は丁寧な口調で老婆に尋ねた。

「残念ながら、ないよ。昔は他の魔女も居たんだけどねぇ…」

 ふぅ、と老婆は懐かしそうに目を細め溜め息をついた。