――その頃、ミニ悠里を含む一行は、街中に調査に来ていた。
小人達は何故か、街の人達から食糧やお金を「いつもありがとうございます」と言われ、差し出されていた。
「あなた達が森に来てから、街中を荒らす獣はほとんど居なくなりました。本当にありがとうございます」
深々と頭を下げられ感謝される。
「――小人様達の呪いも早く解けるといいのですが…“東の魔女”に呪いをかけられたのでしょう?」
祥一郎は何故かよく街人に話しかけられ、そう告げられた。
「東の…魔女?」
紘汰達は不思議そうに口を揃えて聞き返した。
「はい、東の魔女については…あそこの本屋に行けば詳しく分かるはずですよ。あの婆さんが一番詳しいから」
その街人は、真っ直ぐに本屋を指差した。
「ありがとうございます」
紘汰と雄大は頭を下げた。
「もしかしたらさ、元の世界に戻る鍵かもだよね」
楓の言葉に全員頷いた。
