「……じゃ、俺も添い寝してやる」

「嫌です!」

 姫香は巡の提案を一瞬の迷いもなくキッパリと断った。

「待て…、なんで雅は良くて俺はダメなんだよ!」

「だって巡先輩はケダモノみたいだけど、雅先輩は可愛いじゃないですか!!」

 ムッとして叫ぶ巡に対して、姫香も負けじと反論する。

「ぶふっ、確かに巡はケダモノみたいだね」

 雅は吹き出して笑い、姫香の発言に同調した。

「……この…っ」

 ムスッとし完全に拗ねたらしく、巡はそっぽ向いた。


「――巡先輩、もしかしてヤキモチっすか?」

 そんな様子を黙ってみていた太陽が、巡にトドメを刺した。

「はぁ!?誰がこんな貧相な胸のないガキ!」

 巡は迷わず否定したが。

「……先輩…、人前でその言い方は許しません!」

 バシィッ!と姫香に容赦なくビンタされ、巡は目をぱちくりさせた。
姫香は真っ赤な顔で巡を睨みつけている。