(くうっ…なにこの可愛さ!)
 見てるこっちが赤くなってしまう。

「そういえば、姫香ちゃんっていっつも図書室に居るよね?」

「うん、本が好きでね。よく行くんだけど…」

「そっか。良かったら今日のお昼、一緒に行かない?」

 歩きながら紘汰君と話す。紘汰君からのお誘いを断る理由なんかあるはずもない。

「行く行く!」

 まさかこの日の図書室から全てが狂うだなんて、この時はまだ予想すらしてなかった。


「……っ、サイッテー!!」

 二人で歩いていると、女性の怒鳴り声が聞こえた。それと同時にバシッと平手打ちした音が聞こえる。