言うことを聞かない姫香を見て、巡はギョッとし慌てた。

「Σ!!バカ!止めろ!」

 巡が叫んだと同時に、雅がうっすらと目を開ける。

「――…う…」

「あ!雅先輩、朝ごはんできてま…」

 雅が声を漏らしたのでパァッと笑顔になり姫香が話しかけた。

「――…う…さ、たん…」

ぎゅうぅううううー。
雅は思いっきり姫香を抱きしめ、そのまま再び寝転がった。

「!?!?」

 姫香は抱きしめられ一緒に寝転がったまま、驚きのあまりしばらく固まった。

「…ったく、だから言ったのにお前は…」

 その有り様を見、巡は溜め息をついた後呆れ顔でブツブツ文句を言った。

「せんぱーい、助けてくださーい」

 姫香はうるうるとした瞳で、手をヒラヒラさせながら巡を見上げ助けを求めた。

(……くそ、可愛い//)

そんな姫香を見て巡は可愛いと思った。

「あれぇ、まだ起きないの雅……って、何この状況。」

 部屋の入り口から声がし、姫香と巡が振り向けばそこには楓が居た。