「雅先輩、起きてこないね」

 太陽が姉に容赦なく攻撃された後、皆笑いながら食事が済んだが巡と雅は来なかった。

「また手こずってるのかな~…子供の頃は酷かったみたいだし。慣れない環境で疲れたのかな?」

 雄大が苦笑しながら相づちを打つ。

「…私、様子を見てきます」

 紘汰や祥一郎が手際よく片づける中、姫香は席を外し雅のもとへ向かった。

「――いい加減起きろ雅!」

「…うさたんがいないからやだー」

 部屋に近づくと、巡の叫びと雅の駄々が聞こえてくる。

「巡先輩~雅先輩~!」

 姫香が叫びながら部屋に入ると、巡は姫香を睨みつけた。

「……お前、来るな」

 あからさまに不満そうな顔で姫香に一言。
その言葉に姫香は一瞬怯む。

「…なによぅ、様子見にきただけなのに。雅先輩ー!起きてくださぁい、朝ですよ~!」

 ――ゆさゆさ。
睨まれた姫香は頬を膨らませて巡を無視して近づき、雅の身体を揺さぶる。