「消毒の薬とかあるかわからないから、これで…」

　そう言いながら雄大は顔を上げ姫香の顔を見るなり、はたと固まった。

「……あ、ありがとうございます…」

　真っ赤な顔のまま姫香はお礼を言った。
雄大もハッとしたのか、みるみるうちに赤くなる。

「…朝っぱらから、何いちゃついてんの？お二人さん。」

　台所の入り口から声が聞こえた。二人が振り向けば、そこには気だるそうに壁にもたれて巡が立っている。

「ばっ、いちゃついてねぇし！//てか巡、珍しく早起きだな？お前も手伝え！」

　真っ赤な顔のまま雄大は否定し、巡に近づき頭を軽くペシッと叩いた。

「いてっ！……っ、はいはい。何すればいいわけ？」

　雄大に怒られた巡は、仕方なく姫香を見つめて尋ねた。