夜…

部屋で課題をやっていると、

♪プルルルル♪

知らない番号から電話がかかってきた。

「…もしもし」

『もしもし、美玲?』

「龍太郎さん!?」

『うん。突然ごめんな』

「全然大丈夫です…けど、
体は大丈夫なんですか?」

『おう、おかげさまで。
わりーな、誰よりも目立つって、言ったのに…』

「いえいえ。それより、熱があるのに、部活に来るって、凄いですよ。
本当に野球好きなんですね」

『うん。
あと、あれ嬉しかった。』
「なんですか?」

『俺のこと、龍太郎って呼んだこと。
あと、ずっと手を握っててくれたこと』

「え!?気づいてたんですか!?」

『うっすらね』

「うわー、恥ずっ」

『なんで?嬉しかったよ』
かぁぁぁぁ…

「も、もう寝ます!」

『明日!』

「え?」

『明日は、必ず誰よりも目立つから…見てて』

「うん…」

『おやすみ』

「おやすみなさい」

こうして、夜はふけていった。


実は、さっき日向から、大也さんについて、
いろいろな噂を聞いた。

とても、そういうことをするような人には見えないけど、

とりあえず、龍太郎が側にいれば、大丈夫かな。


たくさんの人に出会って、
今までしたことのない、経験や、
思いをしてる。

これから、
どんな高校生活を送るのか、
不安や希望、期待を胸に抱いて、眠りについた。