プリンセスの憂鬱【BL】(※仮)

 
「俺なら、アイツからお前を守ってやれる」

「守って欲しくて恭介と居るわけじゃない!」

「お前の過去を知らない黒崎に何ができるんだ」

「何かしてもらうつもりなんてねぇよ!」


 確かに俺は、兄貴から逃げる為に家を出た。

 自分だけじゃどうしようもなくて、朔杜達を頼った。

 依存していたと言ってもおかしくない。

 あの時の俺は、朔杜達がいなかったらどうなっていたか分からない。

 それくらい不安定で、みんなに迷惑掛けまくった。

 だからって、今もそのままな訳じゃない。

 アイツにさえ、会わなければ……。


「俺は……」


 会わなければ、こんなにも心を掻き乱される事は無い。


「……俺は、昔とは違う」

「そう思ってるのはお前だけだ。たった1度、アイツに会っただけで何もかもが狂わされてる。それを大丈夫だなんて言われて信じられる訳ないだろ」


 ──会わない事が、大前提。