「……っ、頼むからさ、これ以上話さないで。ダメージ半端ないから……」
「まさか、会ったのか?」
俺が小さく頷くと、朔杜は信号が変わって発進した途端車線変更して近くのコンビニに車を停めた。
「いつ? どこで会ったんだ!?」
強張った表情で、朔杜は再びその大きな手で俺の手を包み込んだ。
「……先週、駅ビルの眼科に行ったらそこで……」
「……っ、なんでその時すぐに連絡を寄越さないんだ」
「会って直ぐに倒れたから……。それに、連絡したところであいつに会った事には違いないだろ」
「倒れたって、何かされたのか!?」
「……多分、何もされてないと思う。スマホ、ロックしてなかったから番号は知られたみたいだけど」
連絡先を教えろと言われて教えなかったのに、真兄から着信があったのはそういうことだろう。


