「真琴、向こうに着いたら、俺から離れるんじゃないぞ」


「え?あ、はい……」



ハウスドルフさんに突然名前を呼ばれ、私はドキッとした。



――いや、ドキドキしてる場合なんかじゃない。


私は戦力にならないんだから、その分せめて足手まといにならないように気を付けないといけないのに……。


そう自分に言い聞かせるも、なぜか気持ちは静まらなかった。



「どうした?」


ハウスドルフさんが私の顔を覗き込む。


「いえ、別に……

あ、そうだ。

王室警備隊って強いんですか?」


ハウスドルフさんの注意を逸らそうと、私は咄嗟にそう尋ねた。