裏面ワールドトリップ

ハウスドルフ中尉は窓の外へと視線を逸らし、溜め息を漏らした。



「それと妙な事がもう1つ。

どうも、姫と一緒にディアマントも持ち去られたようなんだ。


だがディアマントは城の奥に厳重に管理されているし、万が一探し出せたとしても、王族以外の者が勝手に持ち出せば……」


ハウスドルフ中尉はそこで再び、ローゼさんと私の顔を順番に見遣った。


「大いなる苦痛を与える、でしたっけ?」


私がハウスドルフ氏の代わりに言葉を続けると、彼は

「その通り」

とうなずき、更に話を進めた。