裏面ワールドトリップ

「たとえ神様なんかじゃなくても、私たちには真琴さんの力が必要なの。


……お願いします。

貴女にこそ、やってもらいたいの」


そう言って、ローゼさんは私の手を握った。



彼女の説明に納得したわけではない。


けれど、真剣な眼差しでそのように懇願されると、断る事なんか到底出来なかった。


嫌とは言わせない何か気迫のようなものが、彼女の丁寧な物腰の中には確実に潜んでいた。



――さすがは長く生きた魔女だな。


人を動かすのが上手い。