ローゼさんが

「さぞかし素晴らしいお仕事をされてきたのでしょうね」

と感心した。



「そんなに立派なものじゃないです。

特に仕事が好きだったわけでもないし。

他にやりたい事が無かったから、ただ頑張ってきただけです」


ローゼさんは無言で相槌を打つ。


「20代という貴重な時間も、そんな事で浪費してしまいました。

取り返しのつかない事をしたと思ってます。


そのデパートだって倒産しちゃって、だから今は無職です。

それは仕方無いとしても、新しい会社に就職しようにも、どこも雇ってくれません。


みんな、私の事

『要らない』

って言います……」


話しているうちに自分の事ながら情けなくなり

私はぽろぽろと涙をこぼした。