やがて私の前に、湯気の立つお茶とビスケット、それに白いペーストとルビー色のジャムが出された。



「シロオーロックスのクリームチーズとドロップベリーのジャムでございます。

どうぞ、お召し上がりください」


「いただきます……」



勧められるまま、ビスケットにクリームチーズとジャムを塗って食べ、お茶を飲む――


「ローゼさん、これ夢だから味がしない」


「あら、そうでしたわね。

ごめんなさい、うっかりしていて」


彼女はそう言うと、ローブの袖から短い木の杖を取り出し

「ちょっと失礼しますわ」

と、私の頭の上で軽く振った。


「これでいいでしょう」