裏面ワールドトリップ

私はローゼさんに導かれるまま家の中に入り、部屋の中央のテーブルに着いた。


何十年も大事に使われてきたような風合いの、木のテーブル。


天井から吊られたランプが、あたたかな光を放っている。



テーブルのそばには小さなキッチン。


直径1メートルはありそうな銅の鍋が、かまどに載っている。



「お忙しいところを呼び立ててしまって、申し訳ございませんでした。

もちろんお時間は取りません」


ローゼさんが、お茶の仕度をしながら言った。


「真琴様が来てくださったならもう安心です。

何と言っても、わたくしたちの世界は表裏一体でございますからね。

こちら側の世界の危機は、真琴様の世界の危機でもございます」


「はぁ……」