派手に遊び歩く事も無かったので、まあまあ蓄えもあるし

それに退職金と失業手当で、当面はお金の心配も無い。



そんなわけで、私は決して若いとは言えない年齢で

デパート勤務時代に強制的に取得させられた、販売職以外では何の役にも立たないであろう販売士資格と

「休日に体調を崩し、翌日までに必ず治せる」という微妙な特技だけを身に付け

何の迷いも無く、と言うか単に軽率に、仕事を辞めたのであった。