裏面ワールドトリップ

「ここって……」


「俺たちが二手に分かれた所だ。


あの後、姫を保護したレニー少尉たちがここを通ってな。

ただ、あいつらが真琴を連れてないのに気付いた時は焦ったぞ。

グルオンスーツまで姫に貸しやがって」


「すみません」


「ま、済んだ事だ。


で、真琴が1人でモーリッツの寝室に乗り込んだって言うから、急いで後を追ったんだ。

斧型の武器でそこの壁を壊して、この部屋からモーリッツの寝室へ通じるドアの鍵を探して。

レニー少尉のシャーフガルベ薬で腹の傷の手当てもしてな」


そう言って壁の穴をくぐるハウスドルフさんは確かに、私たちが二手に分かれた時より幾分元気そうだった。



程無く、階段の方からメンガー大尉をはじめ、王室警備隊員たちが続々と現れた。


メンガー大尉の指示により

事後処理にあたる隊員たちを残して、私と護衛のハウスドルフさん、そしてディアマントをバルダクタル城へ送り届ける1グループは、一足先に帰る事となった。