裏面ワールドトリップ

私は体を横たえたまま目を伏せた。


申し訳無いのと、怒ったハウスドルフさんが怖いのとで、彼を直視する事などとても出来なかった。



それ以上、謝罪の言葉が見付からずに黙りこくった私の目の前に、浅黒い大きな手が差し伸べられる。



――?



思わず顔を上げると、厳しくもあたたかな目がこちらを見返していた。


「立てるか?」


「あ、はい……」

と言って、つい反射的に差し出した私の手を

ハウスドルフさんはしっかりと包み込むように掴み、優しく引き上げた。


なんて頼もしい手だろうと思った。