裏面ワールドトリップ

その方向へ目を遣る。


ベッドの隣

悪趣味なサイドテーブルの上に乗せられた、下品な水晶のシェード付きランプ

……の陰に、何やら見慣れない物体が隠されている。



モーリッツに背を向けてそちらへ歩き出した時

ふと、今朝のローゼさんの言葉を思い出した。



〈大いなる苦痛〉



ディアマントを不正に入手した者に与えられる、それって……。


振り返ると、モーリッツはまだ同じ体勢で苦しみ続けていた。


――ま、何でもいいや。