裏面ワールドトリップ

迷う私の胸に突然、激しい嫌悪、軽蔑の念が沸き起こった。



モーリッツに対してではない。


それは、私自身の変わり身の早さに対してのものであった。



私も結局、人に言われるがまま楽な方に流される形で

「他にどうしようも無いから」なんて消去法みたいな理由で

結婚してしまうのか。


ずるずると惰性で相手の事を好きになっていくのか。


私の20代そして就職活動とは、一体何だったのだ。



モーリッツが私と結婚して何をしようと企んでいるか

この際そんな事はどうでも良い。


ただ、私は私自身に対して、そんなに簡単に手のひらを返してはいけないのだ。


だって、それこそ

自分の人生に対して、負けを認めているようではないか。