モーリッツは不敵な笑みを浮かべたまま、私の手に握られたウイスキーの瓶に視線を落として言った。
「そんな武器とも呼べない武器ひとつで、たった1人でこの部屋に忍び込んだばかりか、俺に遭遇しても決して怯まないその胆力。
お前のような女は初めてだ。
このまま侵入者として処罰するにはあまりに勿体無い」
モーリッツが目を逸らしたその一瞬、脳を貫かれるような感覚も、ふっと消えた。
そしてまた目を合わせられると、その感覚はもう一度蘇る。
この男はこうして人の目を覗き込む事で、相手の心の中に入り込むのだろうか。
「その通り。勘も鋭いんだな」
手の内を見破られても、モーリッツは余裕気な態度を崩さなかった。
「そんな武器とも呼べない武器ひとつで、たった1人でこの部屋に忍び込んだばかりか、俺に遭遇しても決して怯まないその胆力。
お前のような女は初めてだ。
このまま侵入者として処罰するにはあまりに勿体無い」
モーリッツが目を逸らしたその一瞬、脳を貫かれるような感覚も、ふっと消えた。
そしてまた目を合わせられると、その感覚はもう一度蘇る。
この男はこうして人の目を覗き込む事で、相手の心の中に入り込むのだろうか。
「その通り。勘も鋭いんだな」
手の内を見破られても、モーリッツは余裕気な態度を崩さなかった。


