レニー少尉は私に

·お姫様がモーリッツの寝室から離れた後、任務に当たる事

·寝室へ入る前に、中の様子をよく確認する事

·行けそうにないと判断したらすぐ引き返して来る事

·中へ入る際は必ず逃げ道を確保する事

などを言い含め、更にもう一度

「くれぐれも無理はしないでくださいね」

と繰り返し、私の手に水晶の鍵を預けた。



お姫様が

「本当にありがとうございます」

と言って、私に頭を下げた。


「ディアマントは、カットを施したこぶし大の透明な石です。

これくらいの……」

と、彼女はメロン程の大きさの丸い形を両手で作って見せ

「……宇宙に浮かんでいます」

と続けた。



「……え?」


宇宙?


「箱とかに、入ってるんじゃないんですね?」


「はい。

見れば、すぐわかるはずです」