裏面ワールドトリップ

「あの……」


お姫様が、レニー少尉のジャケットの袖を引いて言った。


「ディアマントですが

……こんな事になったのも、元はと言えば私のせいですし
私がモーリッツの寝室まで行って、取り返して来ます」


「……?!」



私たちは驚きのあまり、目を見開いてその場に固まった。


「……いや、いけませんよ」


1人で寝室へ向かおうとするお姫様の前に、レニー少尉が立ち塞がる。


「危険です」


「まだ惑わされている振りをしておいて、ディアマントを見付けたらすぐ取って逃げて来れば……」


「駄目です」


「でも……」