お姫様は小部屋の中へ入るとドレッサーの引き出しを開け、何かを取り出して戻って来た。
「これ……」
彼女が差し出したものは、透明な水晶で作られた小さな鍵であった。
「モーリッツの、寝室の鍵です」
それから、部屋の一角の黒い壁を指差して
「あそこに、鍵穴があります。
モーリッツの寝室へは私の――『私たちの』と言うべきでしょうね――部屋からしか入れないんだそうです。
あとで来るようにと言い残して、モーリッツはこの鍵を私に……
ディアマントは、その時に寝室へ持って行かれました」
と説明した。
「これ……」
彼女が差し出したものは、透明な水晶で作られた小さな鍵であった。
「モーリッツの、寝室の鍵です」
それから、部屋の一角の黒い壁を指差して
「あそこに、鍵穴があります。
モーリッツの寝室へは私の――『私たちの』と言うべきでしょうね――部屋からしか入れないんだそうです。
あとで来るようにと言い残して、モーリッツはこの鍵を私に……
ディアマントは、その時に寝室へ持って行かれました」
と説明した。


