裏面ワールドトリップ

――素敵だなぁ。



私は映画のワンシーンのようなその光景に見とれ


直後、重要な事を思い出した。


「ディアマント……」


私が呟くと、お姫様は一瞬、表情をこわばらせた。



「ごめんなさい。

あれは、私が持ち出しました」


申し訳無さそうにうなだれるお姫様に、レニー少尉が

「では今、ディアマントは姫がお持ちになっているのですね?」

と、優しい声で尋ねる。


お姫様は首を横に振った。


「彼が……いえ、モーリッツが。


ちょっと、待ってください」