裏面ワールドトリップ

やがて

認めたくない現実と戦い抜いたお姫様が、おもむろに顔を上げた。


怒りや悲しみや悔しさを全てこらえきった目で

私、そしてレニー少尉たちの顔を、順番に見回す。



「ご心配をお掛けして、すみませんでした。


家に、帰ります」


静かだけどきっぱりとした口調で、お姫様は言った。



「かしこまりました。お供致します」


端整な顔いっぱいに安堵の笑みを湛えたレニー少尉が、お姫様に歩み寄る。


再び差し伸べられた手が、今度は素直に握り返された。