裏面ワールドトリップ

でも、こればっかりは

優しく諭そうが厳しく言い聞かせようが、現実の残酷さに変わりは無い。



「お姫様、もっと貴女の事を尊重してくれる男性を選ぶべきだと思います。

どうか目を覚ましてください」



言うべき事は言った。


見せるべきものは見せた。


あとは――


つらいだろうけど、認めたくない現実を受け入れるのは

他でもない、お姫様自身だ。



同時に、こうして若いうちに全力で誰かに恋をする彼女の事が、少し羨ましいような気もした。


もちろん騙されるのはごめんだけど

こんなふうに好きな人を思って目を輝かせたり、寂しがったり傷付いたりする事が


果たして私には出来るだろうか。