裏面ワールドトリップ

その時、すぐ近くに無人の小部屋が見えた。


私はそこで立ち止まり、壁から突き出した取っ手を掴む。



――どうか開いて……!



手前に引いてみると、ドアは音もなく開いた。


助かった!



私は急いで部屋の中に滑り込むとドアを閉め、ベッドに入って頭から布団を被った。


ウイスキーの瓶をぎゅっと抱きしめ、極限まで神経を研ぎ澄まして、廊下の物音に耳をそばだてる。