裏面ワールドトリップ

女性たちは1部屋に1人ずつ閉じ込められていた。


時々、空室もある。



壁の向こうの顔はどれも、まるで目を開けたまま意識を失っているかのようで、泣いたり助けを求めたりする者は1人もいなかった。


みんなモーリッツ4世の〈言葉小人〉に心を惑わされ、虚無感を植え付けられたのだろう。


その為、辺りは不気味に静まり返っている。



彼女たちの様子を見ているうちに、モーリッツに対する怒りがふつふつと沸き上がってきた。



よくもこんなに酷い真似が出来るものだ。


絶対に許せない。



何が何でも、お姫様を取り返してやろう。