「はぁ、彼氏か。」


あんちゃんって好きな人いんのかな。


いても奪うけど。



「あ!いたいたっ。」


振り向くとそこにはちょっと慌てた様子のせなんがいた。


「?どうした。そんなあわてて。」



「どうした。っじゃないわよ。
一時間目移動教室だよ。
早くしないと授業始まっちゃうよ。」


ふと、教室を見渡すと誰1人いなかった。


「わぁっ。みんないない! ありがとな、教えてくれて。」



「どういたしまして。」



そう言って笑うせなんは一年の頃のせなんだった。



「ほーらっ。ボーっとしない。いくよ。」



「…お、おぅ。」


俺は引っ張られながら移動教室に向かった。