聞こえるはずの無い声が、聞こえた。 「…翔…!」 「式終わって速攻来た」 駆け寄る翔は、いつか生で見たかったスーツ姿で。 「袴似合ってるな。かわいい」 笑顔で頭を撫でるから。 「…翔…っ」 溜らず抱き着いた。 「ん。ごめんな、待たせた」 優しく抱きとめてくれる腕。