―・・・ 「…ここ、かあ…」 何とか辿り着いた場所は、小奇麗なアパート。 翔の家で間違い無いはずだ。 連絡はしていないから、居るかはわからない。 大学かもしれないし、バイトかもしれない。 帰りの時間もわからない。 でも、待つと決めていた。 ゆっくりと階段を上り、一室の前で立ち止まり。 まずは勇気を出して、チャイムを押す。 「…居ない、かな…」 暫く待ってみたけれど、応答は無い。