「おじゃましまーす!」



玄関が開いて、いつもの声とは違う、元気いっぱいの「おじゃまします」が聞こえてきた。


今日は武藤さんがお家にくるよと言う内容のメールをもらったのは、ほんの30分前だ。




「武藤さん、いらっしゃい。凌斗さんはおかえりなさい。」


「ただいま。急に来ることになっちゃってごめんね。ご飯の準備とか大丈夫だった?」


「うん、平気。まぁ、凝った物は作れなかったけどね。」


「いいよ別に。武藤さんだし。」


「そうだよね。武藤さんだし。」




作った物は簡単だろうが凝っていようが、関係なしに全て綺麗に平らげてくれる武藤さんだもん。


今日は本当に時間なくて、超簡単にあり合わせで作っちゃったけど、それでもまぁいいでしょう。



「すごい新婚っぽいなーって思ってたのに急にオレへの敵意を感じました。」



「気のせいですよ。」

「気のせいですね。」


「この似た者夫婦が!!」