「オレ食べようかー?トマト好きだよ?」



なんてことなのひぐち君!

トマト好きとかあたしにとってのヒーローよそれ!




「どうぞ、召し上がれ。」


「いや、これはセンセーが苦手を乗り越えて食べるっていうのもイイと思う。」


「西野くん、先生はそれよくないと思います。」


「それか、生徒会長が好き嫌いとか言うの良くないから食べるってのもイイな。」


「西野、それはよくない。」


「よし、じゃあ間をとってひぐち君に食べてもらおう。それで丸く収まるね!」


「結局振り出しに戻っただけのような気がするよ?まぁ食べるけどさ?」



ひぐち君、西野くんがなにか言う前にさっと食べちゃってください!

ささっとささっと!



「あーあ、食っちゃった。」


「ありがとうひぐち君。」
「ありがとう和樹。」



これで最大の敵は消え去った。

残りのご飯を食べてしまおうじゃないか。


「…センセー、もしオレが弁当作ってきたら、もちろん残さず食ってくれるよな?」


「へっ…?!」






次の日、弁当箱を持った西野くんがあたしの城に訪れ、嫌がるあたしの口にトマトを放り込んだあの悪夢は忘れたくても忘れられない。



「好き嫌いするな!残さず食べなさい!」



その様は「まるでオカンのようだった」と、ひぐち君は語った。



END