「会長くんにこれをあげよう。」


「いりません。」




ある昼休み。

会長くんと西野くんとひぐち君があたしの城にやってきた。



あんなに嫌いあってたのに、なんだかんだでもうスッカリ仲良しなんだから男の子って不思議だ。



「好き嫌いしてはいけないよ。さぁ遠慮せずに食べて食べて。」


「あーセンセー、トマト嫌いなんだー?」


「違うよ?会長くんが食べたそうにしてるから分けてあげるだけだよ?」


「だからいらないですって。」


「今日はセンセー弁当じゃないのな?」


「よく気がついたね西野くん。今日は寝坊してバタバタしてたからコンビニ弁当なのよ。

時間ないからってよく見ないで買ったら、こいつが隠れていたのさ。」



あたしはこのトマトってやつがどうも苦手だ。

この独特の酸味と、潰れゆく感触。

なのに皮のシャリっとした食感。


小さいときに初めて食べたトマトがちょっと悪くなってたってこともある。


大人になって、食べようと思えば食べられるようになったが、食べる必要がないなら絶対食べない。




「やっぱ嫌いなんジャーン。」