「よし、出発!」

「おー!」



部屋着では流石にうろうろできないので、動きやすい格好に着替えて外に出る。




部屋から一歩でた瞬間。




「わぁぁー!!」



正面に大きな白い月。



「凌斗さん!月が!」


「ね?言ったでしょ?行けばわかるって。」



これのことを言っていたのか!


正面の月は満月。

白く輝く月光に、明らかにいつもより明るく照らされている夜の闇。



「行こっか。散歩。」


「うん!」



自然な動作で手を引かれ、マンションを出て近くの公園まで。


凌斗さんの会社のこと、あたしの学校のこと、他愛もない話は尽きることなく穏やかな時間が流れる。



「のぞみ、」

「うん?」


「月が綺麗ですね。」

「ふふ そうだね。月が綺麗ですね。」





I love you を訳しなさい。




『愛しています』じゃ表せない、あたしの気持ちをあなたに。




END