逆に、悲しいこととかネガティブなことは、ひたすらに隠そうとする。


まぁ、それも気付いてしまう俺ですが。



「凌斗さん、早く着替えてきなよ!」



今回のこれは、どうやら嬉しい隠し事らしいから、素直に従えばいいか。


着替えながら、今日はなんか記念日だったりするっけ?と頭を悩ませるも、特に思い当たるモノはない。



今日に限らず、先一週間くらい考えても、どちらかの誕生日でも、記念日でも、お祝いするイベントでも、なんでもない。


じゃあなんだろうか?




「凌斗さんまだー?」

「今行くよ。」


寝室にひょっこり顔をだす希美。

その顔には満面の笑み。



…ここまでウキウキされると、理由がわからない分気味が悪くなってくるな。



「おーい。着替えられないですよー」


「えへへ だってー」



着替え途中の俺の背中にギュウっとしがみついてきた。


なんだって今日はこんなにご機嫌なんだか…


よほど嬉しいことがあったんだろう。